サツキとフウノキ、そしてプール

インゼル文庫やKing Penguinシリーズの鳥や昆虫や植物のイラストレーションのタイトルが売り切れていたので補充注文を出していました。 今日、その一部が入り、来週にも小包が届く予定です。 小さな商品群をまずは充実させて、しっかりと基礎的な数字を作り…

寒の戻り。雨。

バスを待っていると僕の名前を日本語で呼ぶ声がきこえた。 日本語の読み方を知っている人は限られている。 人恋しさのあまりの空耳だろうか?と思いつつも、きょろきょろするとバス専用路線のひとつむこうの車線のタクシーの窓が開いて、かつて、ほんの短い…

春の日に思うこと

若い頃、志望していた学校に落ちて、それでよかったことがたくさんあるなぁ、と思っていた。 そしてその後、会社を辞めて、一人で仕事を始めて、収入ががくんと減って、それでよかったことがたくさんあるなぁ、と思う。 これからもそんなふうに良いことがき…

梅雨が明けたよ!?

さきほど近所のスーパーに行く為に外に出て、路地の角を曲がった瞬間、 サッと微風が吹いて濃厚な真夏のにおいがしました。 もう梅雨も終わりだ、と心に決めて(決めていいのか?)、 暑さのために人影もまばらな近くの公園を歩くと池には蓮の花が今にも咲こ…

台北の梅雨の花

ひと月に一度、バスに乗って、散髪屋さんに出かけます。 いわゆる「家庭理容」と呼ばれる町の小さな散髪屋さん。 200元(570円ぐらい)なり。 今日は暇だったらしく、僕が行った頃にはカラオケで台湾語の歌を熱唱してました。 音がかなりはずれてた・・・ さ…

久しぶりに町の様子を・・・

台北、今日は午後から爽やかな晴れ。 日も随分長くなったので、副業で行っている仕事を終えてから、少し町を歩いてみました。 徐州路のクスノキの並木で深呼吸をして、東へ向かって銅山街を歩き、 できたばかりの公園を南に折れて、仁愛路を経て、臨沂街へ。…

「梱包」と「命日」

郵便屋さんの「小原、掛號!」(小原さん、書留!)の声。 待っていた荷物を喜び勇んで階下に取りに行き、捺印。 持って上がって、外箱の変形に気づく。 さらに、中が湿っぽい。 あろうことか本は剥き出しで箱の中に納まっている。 開けた途端に落胆。 Berge…

「痕跡」を消さない、ということ

古い本を仕入れるようになってから、わずか2年と少しの経験ながら、この間、少なからぬ「痕跡本」を見て来ました。 「痕跡本」というのは岐阜は犬山のインディーズ古書店、「五っ葉文庫」の店主の考案された言葉で、先の持ち主の「読書の記録」がある本のこ…

「写真」をやめることにしました。

と、何やら物騒なタイトルですが、取扱い分野のことです。 「写真」という分野を設け、写真集を販売していたのですが、これを10日に閉鎖することにしました。この分野、本当の意味で写真を理解していない者が、流行りを追うために取扱っていたような罪悪感が…

コーヒー豆の思い出

つい最近までコーヒーは近所の頂好(ディンハオ)で既に豆が挽いてある真空パックを買っていた。 ところが、ある日、相棒が板橋(バンチャオ)の会社の近くに自家焙煎の美味しいコーヒーショップがある、 と言ってそこのを買って来てくれた。 家にはグライン…

冬になると

冬らしい本を一冊手元に置いておきたくて、雪の結晶の写真がたくさん載った本をかつての職場に注文した。 台北で降る雪を見ることはない。 かつては陽明山にも霰が舞う瞬間があるほど冷え込んだ日があったそうだが、 雪に触れたり、歩いたりした感覚はもうか…

近日入荷予定の古書から

台北のとあるカフェで非常にお洒落な50代の男性を見かけて、おおっ!すばらしいセンス!と思うも、一瞬の後には彼がそのすきのない全身の装いのためにつむじからつま先までとがらせているあろう神経と鏡を前にするであろう時間を思いやると、なんだか、ぐっ…

残暑お見舞い申し上げます。

宣伝です。 台北での小さな展示のご案内。 9月26日(日)まで、台北市内、臺北人Cafeにて三人の合同展示を行っています。 場所は下の手描きの地図をご覧下さい。 古裂と古本と古い装飾品・・・ 「古」という言葉は共通してはいるものの、無理矢理共通のテー…

暑中お見舞い申し上げます。

朝、相棒のバイクのうしろに跨がって台北県烏來(ウーライ)へ向かう。 山道で後ろ足一本無くした母犬が子犬三匹に乳をやってるのを見かける。 バイクをとめて母犬の前でしゃがみ込み、 朝食用にファミリーマートで買ったサンドイッチを取り出すとあっという…

百科事典の思い出

前々回のエントリー「夏の虫本」で「来月(7月)初旬」と書いた古書、"Considérations générales sur la classe des insectes"(「昆虫の分類に関する一般的考察」1823年パリにて出版)の入荷が少しおくれています。ご紹介は中旬になる見込み。もうしばらく…

しっとり台北

昨日はプールの帰り、どうなっているのだろう、と休館中の「林安泰古厝」の前を通ってみた・・・その無惨に変わり果てた姿に、言葉を無くす・・・台北市政府の公共建築物に対するセンスの無さは今さら言うまでもないのだけど(古跡の「修復」がことごとく「…

夏の虫本

古い印刷技術で印刷された図版をこの目で確かめたくて、リトグラフより前の時代の技術である銅版画図版の虫の本を調べながら入れています。その銅版画の図版が、同じ本でも、単色で販売されたもの、そして、手描きで彩色が施され販売されたものが存在する、…

梅雨冷えの夜に

父、母が台湾に初めて来る、というのでツアー旅行の日程にフリーの一日を作って、とある蝶の観察地点に行きたい、というのだけど、じゃあ、雨だったらさて、その日をどうするか、などとぼんやりと考えている間に、相棒がてきぱき動いて友達から車を借り、ま…

ショッキングピンク

台北は蓮の花の盛り。水の中から花を咲かせる植物はいいな、とは思うのだけど、ずぼらな僕には多分、手に負えない。なのでしばし公園で梅雨のゆったりした風にゆらゆらゆれるのを見ているだけで満足です。でも、台湾のあちこちにある蓮池のピンクの花にうっ…

台北で今年初めての蝉の声

今日は朝、ほぼ夏にしか会わない友達(笑)に誘われて屋外のプールに出かけた。梅雨冷えの冷たい水も、からだがほてってくるとちょうど良かった。しばらく室内の25mプールでしか泳いでいなかったから、久しぶりに50mの容れ物に入ると同じ距離を泳いでも疲れ…

そこにいるかも知れない何かのために・・・

台湾に住んでいると、いつのまにか、「そういうもの」もひょっとしたら存在するのかもしれない、と信じるようになるぐらいに周りの人たちが普通に信じている。いや、信じている、というと少し言葉が強過ぎるかな。旅先で宿の部屋に鍵を差し込む前に、軽くノ…

あっ、夏が来た。

今日の台北は、あっ、夏が来た、と感じる一日でした。 朝市では初もののマンゴーが並び、 あの肉詰めに使う青々とした唐辛子が出ていました。 昨日から屋外のプール開きも始まったので、まだその水には浸かってはいないけれど、 夕方の空を見上げると、心が…

漢聲雑誌、再版予定の本から・・・

5月末、あるいは6月初旬に再版される予定の漢聲(ハンシェン)雑誌「老月份牌廣告」。 (三番目の文字、にんべんに「分」です。初版1994年)。 版元にお願いして、唯一在庫している初版本を撮影させていただきました。 20世紀初頭から中頃まで、中国で流行し…

蝶を拾いました。

朝一番で郵便局へ行く途中、建物のはざまを蝶が飛んで行くのを見ました。 マダラチョウ(斑蝶)の仲間、二種類。 それから午前中に日本から来られたお客様の滞在先へ納品。 その帰り道に蝶を拾いました。 淡いブルーが余りに美しいので名前を調べたくて持っ…

胡蝶書坊次回更新は4月20日(火)日本時間22:00です。

胡蝶書坊、次回の更新は来週の火曜日、4月20日(火)日本時間22:00を予定しています。 4月9日のブログでご案内していた19世紀フランスの蝶蛾類の図鑑二点のうち、 アイスランド火山噴火前に無事に到着したのは、 写真下の"Guide du jeune naturaliste. Les p…

空を見上げて・・・

昨日、デンマークから届いた31枚のクリスマスカード。 さて、これをどうしよう、というのはこれからゆっくり考えます。 気づいたのは、空。 雪原に降り立った天使の背後には低く垂れ込めた雲間から光が漏れている・・・ 新年を祝うカップルの上空にはうっす…

乙女の昆虫採集

かけだしの古本屋として、とにかくどんどん現物を見ておきたい、そんな思いで、通帳とにらめっこしながら、時にエイヤっと注文を出してしまう。そんな思いで入れた本も、想像していたよりも、状態が良くなかったり、美しい本ではなかった、ということもあり…

胡蝶書坊次回更新は4月7日(水)です。

今日は清明節。台湾の人々は先祖のお墓参りに行く習慣があり、「國定假日」、つまりは祝日でお休みです。 ようやく今日は晴れ間が見えてきましたが、まだ初夏には遠い気温。 さて、胡蝶書坊、次回の更新は4月7日(水)。 少し古いドイツの蝶と蛾の図鑑や写真…

夏よ来い!

もう4月なのに、今年は突然寒くなったりと天候不順な台北。 夏が恋しい。 5月から9月まで、台北で屋外のプールが開いている間は夏だ、と感じる。 果物が実をつけやがて熟して落ちていくのを見届けるような気持ちで夏を楽しみます。 一人でバスに乗ってマンゴ…

路地の中の小さな食堂で・・・

ここのところあまり調子が良くなく、今日はそんな気分をどうにかしたくて外に出た。昼食を出勤中の友人と約束し、前から少し気になっていた彼女の言うところの「お弁当屋さん」に連れて行ってもらう。台北のほぼど真ん中なのに、開発の手をのがれ、古い二階…