春の日に思うこと

若い頃、志望していた学校に落ちて、それでよかったことがたくさんあるなぁ、と思っていた。
そしてその後、会社を辞めて、一人で仕事を始めて、収入ががくんと減って、それでよかったことがたくさんあるなぁ、と思う。
これからもそんなふうに良いことがきっとたくさんあるのだろう。
そう思いながら仕事をしている。

この仕事を始める当初は「店を持ちたい」と思っていた。
できれば、収入を補うための副業からはさっさと手を引いて、本業一本でやりたい、とも思っていた。
でも、段々と、そういうことにそれほど強いこだわりを持たなくなって来ている。
どんなかたちであれ、お金がなんとかまわって、この仕事を続けて行くことさえできれば、いいなと思うようになってきている。
昔の人々が情熱を傾けた一冊一冊をこの目で見て、この手で触れることをずっと続けて行くことさえできれば、どういう「かたち」であろうとかまわない。
僕の手にとどまる時間はできるだけ短いほうがよいのだけど(笑)。
まずは「続けて行くこと」。そのために、どうすればいいのか、今日もいろいろ考えている。