冬になると

冬らしい本を一冊手元に置いておきたくて、雪の結晶の写真がたくさん載った本をかつての職場に注文した。
台北で降る雪を見ることはない。
かつては陽明山にも霰が舞う瞬間があるほど冷え込んだ日があったそうだが、
雪に触れたり、歩いたりした感覚はもうからだが忘れかかっている。
一昨年の11月、そしてその前の前の11月も相棒と二人で雪と温泉を目当てに北海道を旅した。
11月の北海道はシーズンオフであるのか、旅館やホテルも安く、客も少ない。
生まれて初めて本当の雪を見、雪の降っている中に佇んだ相棒の表情。
キーンと冴えた空気。
その時の光景を思い浮かべると、心がささくれている時でも、すぐに自分をリセットできる。
一昨年、函館ではかつての銀行を改装したホテルニューハコダテというところに一泊した。
「洒落たホテル」とはとても言えないけれど、カウンターの女性がとても気持ち良かった。
相棒が雪かきというものを知らないので、カウンターのNさんに頼んで、少しやらせてもらう。
言葉が通じない同士のNさんと相棒が笑っていた。
先日、急にいつかまたあのホテルにと思い立った。
でもブックマークしておいたホームページはすでに存在していなかった。
今年の1月に閉鎖されたことを人々のブログで知る。
来年、また二人で北の国を旅したい。
小樽の銭湯は月曜日が休みだ、ということも覚えておこう。