小雨降る静かな台北の正月です。

晦日にあたる除夕の晩は相棒の家でごちそうになる。
初一(26日)の夕方は小雨の中、相棒と友人と三人で廟に「初詣」。
今年一年の幸福を祈った。
ついでに台湾の最高峰、玉山にも天気の良い日に登れますように・・・と。
ついでじゃダメか!?


今日は久しぶりにダラダラと過ごして、幸田文の一冊を読み返す。
彼女の文章を読んでいると、縁側のある畳の部屋が自然と思い浮かび、日本の正月のあのピーンと冷えた空気なんかも感じることができる。
宇野千代幸田文向田邦子森まゆみ星野博美・・・・どうも女性の書く文章の方が正直でさっぱりしていて好きだ。


さて明日は故宮で1月22日から始まった絵画の特別展示を見に行って来ます。
ここ数年、ゆっくりと中国絵画の魅力に惹かれています。
思わず細部に見とれてしまう。
どうも、ダイナミックな絵は苦手で、細かく書き込まれた絵の方に惹かれるようですね。
何か、自分のそういうところを知って行くのも一興。
まだまだ見たことのない絵画の世界がたっぷりとあるのだと思うと、嬉しくなります。


残念なことに現物を見て、その後にミュージアムショップで画集を開くと、あまりの色の違いにがっかりするのですが・・・
多分、昔に撮影した原版をそのまま使っていて、撮り直しをしていないのでしょうね。
画集はやはり流用した画像を使っているものより、特別にその画集のために撮影された写真を使っているものが美しいのだなあ、というのも、この仕事を始めてから肌で感じた事実です。


今回更新したJacqueline & Maurice Guillaud のコンビも画集製作に当たり、多分、そういうところに徹底してこだわったのでしょう。個人的にはラファエロよりもマザッチオの画集がお薦めです。衣装やテラコッタの植木鉢、屋根瓦など随所に現れる様々な赤が本当に美しい。(いやっ、もっ、もちろんどっちも売れて行って欲しいのですが!!)今回でこのコンビの編集した画集の紹介は一段落です。