故宮にて2

相棒が友人の誕生日のために本をあげたいから見繕ってよ、という。
ありがたく選ばせてもらうことに。
配送用の封筒はあるものの、包装紙を準備していなかったので、故宮からの帰り、かつて住んでいたところにある小さな文具屋に立寄り、薄手のクラフト紙を買い求めた。しゃれた麻ひもでくくれば、プレゼントとして渡せる、と思う。


故宮は「浙派」の後半の展示を見る。
自然と足が花鳥画に向かう。
明初期の邊文進(ca1356-1428)という宮廷画家の絵の前に立つと思わずほほがゆるんだ。画面に小鳥がいっぱいだ。一羽一羽種類を識別できるのが楽しい。
今までいかに中国の画家の絵を見る機会を作って来なかったか。
かの若冲狩野派に失望した後、元・宋の絵をかなりの数模写していたという。(その後、模写に飽き足らず、鶏を写生していくのだが)


昨日友人におしえてもらった古書店"莽葛拾遺"のふたつの店のうち、永康街の店を覗く。ここは少し「違う」と感じた。来週、彼女といっしょにふたつ目の店、萬華店に行く予定。


夕方帰り着くとなんと「彷書月刊」がポストに入っていた。本当にうれしい。
古本かけだしの僕としては少しでもその世界に近づきたかった。無理を承知で台北までの送付をお願いしたのだった。毎月の楽しみが増えた。
これまでも本来の仕事ではない例外的なことを色んな人に頼んで来た。頼んでみると、皆、快く対応してくれた。ありがたいことだ。僕もそのようにありたい。