雨、やや肌寒し

ホンマタカシの「たのしい写真」(平凡社)を読み返す。二度目でもいろいろな発見があります。この人がとても自覚的であること、自分の立ち位置(たとえば、自分は今、写真史上のどのあたりにいるか、など)を意識していること、写真の「いかがわしさ」をむしろ逆手に利用して、それを楽しんでしまえ!としていること、それから何よりも、権威の対極にあること、などなど、様々なインスピレーションに満ちた本です。


僕は先に触れる前に受け口を自分で狭めてしまっているのではないかな?何事にせよ、とこの本の中の彼の明晰かつ柔軟な思考の前に、ふっと気づいて、ページから目を離し、しばらく頭を整理している自分がいました。


日常を振り返って、「何々、好きだ。」と言う回数よりも、「何々、嫌いだ。」と言う回数の方が多いのではないか。ホンマタカシはまず好きと嫌いの向こう側にいて、そこから始まっている気がする。


DVD、アンドレ・テシネの「私の好きな季節」とヴェルナー・ヘルツォークの「ノスフェラトゥ」とを迷って(全然違うのに、いや、でも僕の中では、ドヌーヴとアジャーニのどちらにするかの迷いだったのです。)、「私の・・・」を買ってしまう。ホラーにしとけばよかった・・・