季節はずれの豆ご飯

新刊書店で日本の雑誌の表紙を目でなぞる。
Casa Brutusの最新号、「知らないと恥ずかしい日本建築・美術・デザインの基礎知識3」。
「3」ということは多分、この標題で売れているのだろう。
こんな屈辱的な言葉が惹句になりうるほど、読者はこの雑誌から発信される情報をありがたがって受け取っている、ということなのだろうか。


知らないと恥ずかしい、で思い出すのは、台湾に来て間もない頃、知り合ったばかりの台湾人と話していて、日本が50年植民地化した台湾でどのようなことを行っていたのかについて、非常に乏しい知識しかなかったのが、本当に恥ずかしかった。


Brutusあたりが、「知らないと恥ずかしい日本の歴史 3明治・大正・昭和」なんて特集を組むようになれば、ちょっとは見直すのだけど・・・


今日は(日本の基準で考えると)季節外れの豆ご飯。
朝市、僕がよく買うかどの野菜屋さんでコロコロ太ったエンドウ豆がむき身(というのかな?)で売られていた。
台湾ではコオロギがほぼ春ぐらいまで鳴いているし、金木犀ならぬ銀木犀(中国語では「桂花」)が春と秋に咲くのだから、日本の季節感をそのままあてはめることはできないのだな、と思う。


ニンジンの葉っぱのようなものを束にして売っている。
なんだろう、と想い、臭いをクンクンかいでみると、ディルのような香りがした。
「これ何?どうやって食べるの?」
「これは茴香ウイキョウ)、煎蛋(中国風のオムレツ)に入れると旨いよ」


そういえば、こちらに来てから、卵と意外な野菜の組み合わせが美味しいことを知った。
卵とトマトの炒め物(蕃茄炒蛋)とか、卵と九層塔(バジルに似た中国ハーブ)のオムレツとか。
卵とウイキョウのオムレツとは旨そうではありませんか。
今度作ってみよう。