なりふりかまわず・・・

好きなものためならなりふりかまわず人目も気にせず、ものごとの「真ん中」に入って行く・・・
今、それができていない、と自分で思う。
それが限界を作ってしまっている、と思うのだ。


思い起こすと、小学生の夏、首がいたくなるくらいに上を見上げて、榎(エノキ)の高い幹の樹液に集まっているゴマダラチョウを取りたくても、思い切って網を振り回すことができなかったこまっしゃくれた自分が居た。


そのころと変わっていないのかもしれない。


田中美穂女史の「苔とあるく」が魅力的なのは、他の人からどう見えようと、実は身近にある美しい世界に入り込むために、じーっとルーペを近づけて、時には岩にへばりつき、時には地に這うようにして、苔の世界のど真ん中に入って行く人の書いた本だからなのだ、と思う。