久しぶりの腰痛の春の夜

午後、急に腰痛。
ここしばらく、ごぶさたしていた。
実は10年以上の腰痛持ちです。


でも、久しぶりに腰痛や風邪で寝込むと、なんとなくしおらしくなれる。
子供の頃の感覚が蘇って来るような気もする。
諦めてベッドに横になり、しばらく本を読む。


よしもとばなな」が「吉本ばなな」だった頃に書いた短編集「体は全部知っている」を読み返していた。この本は好きだ。
からだが少し弱っている時に、手に取る本、というのがあるような気がする。
「父の詫び状」がもっとも頻度が高いのだけど、今日は少しキツい感じがした。


実にひさしぶりに肩の力を抜いている状態になった。
ふと、烏來に行きたいな、と思う。
飛行機や長距離列車の旅も良いけれど、バイクで山道を走れば着いてしまう谷間の温泉地があって、台北に住んでいて良かったな、と思う。
あ、でもきっと京都に住んでいれば、銭湯に向かうところ。
春の午後、開いたばかりのまだ少しお湯がトゲトゲした湯船につかるのも良いだろうなあ、とふと京都のことをも思う。


ウィーンの古本屋さんにメールを出していたのだが、なんだかヨーロッパらしからぬ時間帯に返事が帰って来た。
休暇をとって休んでいるので、詳しくは4月1日にあらためて、という短いお返事。
実は、19世紀半ばにドイツで発行され、その後も版を重ねた蝶と蛾の図鑑、Berge's Schmetterlings-buchの第7版を入れてみようと思っているのです。
先日、ずっと「つんどく」にしていてまともに読んでいなかったフリードリヒ・シュナック著、岡田朝雄訳「蝶の不思議の国で」(青土社、1997年)を開きながら、どうもカバーに使われている蝶の図版が気になっていたのですが、これが、なんとその'Berge's Schmetterlings-buch'の図版だったのです。
たとえ売れなくとも、これは何かの縁。
古い時代の印刷のことをもっと知りたいし、当時のリトグラフの図版をこの目でしっかりみておく必要もあると感じていたので、思い切って入れてみます。
18世紀の昆虫図鑑、フォン・ローゼンホフ(Rösel von Rosenhof)の美しい細密画のファクシミリ復刻版も非常に気になっているのですが、これはまたの機会と諦めて。
ますます選書内容にまとまりが無くなっていくのをしっかりと自覚しつつ、ここしばらくは自分がときめくものを追いかけてみます。