台北と京都

台北の町は少し京都に似ている、という話を台湾人の友人にすると「シャマカナン!」(ほんまかいな!)と言われてしまうのだが、僕は本当にそのように感じている。
碁盤の目のように通りが走る盆地の町。
場所を示す時に東西に走る通りと南北に走る通りの交差点で示すあの方法。
市街地は比較的コンパクトで、でも実は結構山奥まで「市内」。
地下鉄よりもバスが便利・・・


今でもごくたまに歩き慣れない路地(中国語では「巷子」)をさまよっていて(時々わざと知らない路地を歩いてみたりする。)「えーっと、ここをまがるとあそこに出るんだっけ」とぼんやり考えていると、その想像している「あそこ」は京都の千本丸太町あたりの一角であったりして、「はっ」とすることがある。


今日も夕食の後、いつも立ち寄る路地の果物屋さんを遠目に見ていたら、まわりの店が朝市で早く閉める為にすでにあたりはすっかり暗くなっていて、やや安っぽいライトに果物がピカピカと照らされているのが、ひょっとしたら「檸檬」の寺町二条の果物屋さん(今もあるのだが ***2月4日、京都在住のライターHさんに今年1月に閉店された、とのご連絡をいただきました。残念です。Hさん、ありがとうございました。)って昔はこんな雰囲気だったのではないのかな、とちょっと一瞬トリップしたような不思議な気持ちになった。


さあ、今日は「開工」、仕事始めだ。
朝はあちこちの店や事務所の入口で「拝拝」(お参り)が行われていて、果物や菓子が供えられ、「拝拝」用の紙のお金が燃やされていた。
威勢のよい爆竹の音。
そういえば、こういう景色、会社勤めの時には気づかなかったな。
あらたな気持ちで仕事を始めるには良い風習だと思う。


僕も「拝拝」こそしないけど、何か、新しい気持ちでスキッと仕事を始めた。
いつもの活気ある台北に戻って行く。
今日の台北はおだやかな春らしい晴天でした。