今日淡水は4.8度まで冷えました。

台北は快晴、今日は水曜日、「水」の日です。


 昨夜から読み始めた「したくないことはしない 植草甚一の青春」(新潮社)を読み終えてしまうのが惜しいような気持ちで読了。装幀も平野甲賀さんでとても洒落ている。文章もスピード感を保ちつつ優しく、「物」としても素敵な新刊に久しぶりに触れ、うれしい。植草さんへの愛に溢れている。台北では、町でこういう日本の新刊に「あっ!」と出逢う喜びがないのが寂しい。書評を見て、自分で頼むしかないのだから・・・町で偶然に耳に入って来た音楽の一節に鳥肌が立ってしばし佇んでしまうようなことがたまにあるけど(それが既に自分が持っているCDであっても)、あれは、自分で「これを聴こう」と思って選んでいるのではないからこそ得られる快感であり、感激であるのだ。恩寵というか。それと同じことが本にも言える、と思う。それにしてもこの本が晶文社ならぬ新潮社から刊行されたのは、彷書月刊1月号で坪内祐三さんが書いておられることと無縁ではないのだろうなぁ、と門外漢ながら思う。一箇所だけ、「植草さんの中年期は幸福ではなかった。」という表現には抵抗を感じた。「不遇であった。」ならすんなりと読めたのだけど。他人の人生のある時期を幸か不幸かで切り分けるやり方は肌に合わないのだ。


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