新たに仕入れた本を一部ご紹介・・・
昨日触れました中国の本を少しここでご紹介・・・
一番左の帙に入ったものは、改(たまへんに「奇」)(1774-1828/29?)という画家が「紅楼夢」に登場する女性たちを描いた作品の複製で、その洗練された筆遣いと清楚な雰囲気を再現しようとする努力に頭が下がります。
たとえば、台北の故宮博物院にて、清朝の繊細な絵画に見とれて、その展示室を離れ難く、何度も何度もそれこそなめるように同じ絵を眺めて、その後、これはぜひ目録を買って帰ろう、とミュージアムショップに立ち寄り、展覧会目録を求めるのですが、その目録で今見惚れた絵の複製を確認すると、復元された色調にも、それから印刷された紙の質にもがっかりすることが多いのです。
ところが、この一冊には、(絵の現物は見たことはないのですが)、まず、紙の工夫に「うむ」と深くうなってしまいました。
サラサラッと描いたような筆の運び、庭の様子や部屋の調度、僕はちょっと鈴木春信を連想しました。
原画は絹の地に描かれたものではないか、と想像するのですが、その雰囲気を再現するために、特殊な紙の上に印刷されています。
さらにその紙だけでは、強度がやや心もとないと判断したのでしょうか、もう1枚の紙で裏打ちがされています。